広告を止めた時代、そして再評価されたオフライン広告の価値

こんにちは。株式会社せいじつ屋です。
この数年、広告の世界では“ある種の地殻変動”が起きました。

コロナ禍という想定外の出来事をきっかけに、私たちの生活も、企業の販促活動も大きく変わりました。
一時はオフライン広告が姿を消し、オンライン広告がその中心を担うように。
しかし今、多くの企業が改めて「リアルな接点の価値」に気づき、活用しはじめています。

今回は、その広告を取り巻く価値観の変化について、少し立ち止まって振り返ってみたいと思います。


■ コロナ前:「止めてもいいけど、止められない」オフライン広告

街頭配布やポスティング、紙のチラシなど、私たちが手掛けてきたオフライン広告。
実はコロナ前のある時期、企業の担当者の方からこんな声をよく聞きました。

「正直、もうチラシは効果が薄い気もするんですよね」
「でも、上司が『ずっとやってきたから』って…止めづらいんですよ」

つまり、「効果を疑いながらも、なんとなく続けている」。
オフライン広告は惰性で続けられているケースも少なくなかったのです。


■ コロナ禍:それは“止めるきっかけ”となった

2020年、未曽有の感染拡大が起きたコロナ禍。
人の接触を避けるという大義名分のもと、
街頭配布やイベント開催など、多くのオフライン施策が一気に止まりました。

あれほど「止めようか迷っていた」ものが、社会の空気によって一瞬でストップしたのです。

そしてその代わりに、多くの企業が一斉にオンライン広告へシフトしました。
SNS広告、検索連動型広告、動画広告…。
「計測できる」「即効性がある」「コストが見える」などの理由から、デジタルに希望を託す企業が急増しました。


■ コロナ明け:戻ってきた「やっぱりリアルも必要だよね」の感覚

ところが、コロナが落ち着き、人々が街に戻ってくると、ある変化が現れはじめました。
それは「オンラインだけでは足りない」という声です。

たとえば――

  • イベント開催に向けてWeb広告だけを打ったけど、地元での認知が広がらず来場数が伸びなかった。
  • 検索連動型広告でWebサイトへの流入は増えたけれど、店舗への来客には直結しなかった。
  • ネット上では情報が埋もれてしまい、興味はあっても思い出してもらえなかった。

こうした反省を経て、多くの企業が再びオフライン広告に目を向けはじめています。


■ オンとオフを「バランスよく」活用する企業が増えている

最近、当社がご一緒するクライアントの多くが、こんな施策を実施しています。

  • チラシにQRコードを掲載し、Webサイトに誘導
  • ポケットティッシュ配布とSNSキャンペーンを同時展開
  • ポスティングで先に接点を持ち、再ターゲティング広告で関心を高める

つまり、「オンラインとオフラインを切り離さない」考え方。
認知→興味→行動という流れを設計するうえで、リアルの接点もデジタルの補完ではなく“主役のひとつ”として扱う動きが増えています。


■ まとめ:「リアル接点の価値」を見直す時代に

広告は時代や社会の空気に大きく左右されるものです。
コロナ禍は多くのものを止めましたが、その中で私たちが得た気づきも大きかった。

  • 画面越しでは届かない“温度感”がある
  • 人と人の出会いが、最終的な決め手になることがある
  • 「見かけた」「手に取った」「話しかけられた」ことで、記憶に残る広告になる

せいじつ屋は、オフライン広告の力を信じています。
そして、その力はオンライン広告と組み合わせることで、より一層の成果を生むと考えています。

「広告の再構築」が進むこの時代、
私たちは“現場”の手応えを大切にしながら、これからも皆さまの集客を支えてまいります。